
高知県日高村で始まった"いきかえる、いきなおす、いきいき"プロジェクト。ACTION01「ストレス社会を食から考える」#いきいきでは、トマトと豆のゼリーの開発を行なっています。
そこで注目したのが、牧野富太郎も育てていたという土佐の伝統野菜八升豆。日高村では、日本一透明度が高い仁淀川の水と、土佐特有の力強い太陽によって、無農薬で豊かに一定の環境下で育てたものを土佐八升豆という名称で栽培を始めました。

トマトと豆のゼリーの開発をはじめた話 vol.1しかし、日本ではまだ聞き馴染みのない八升豆。今回、藤井義晴教授に八升豆について詳しくお話を伺いました(全3回)。vol.2では八升豆のもっている機能性成分、逆に注意しなければいけない成分についてお届けします。
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藤井義晴教授
農林水産省農業技術研究所、農業環境技術研究所、四国農業試験場、独立行政法人農業環境技術研究所などを経て、現在、東京農工大学 大学院教授。八升豆を広げる活動を精力的に行なっている。
八升豆の研究第一人者に聞く! 土佐八升豆のまだ知られてない力。全3回vol.1 〜いったいどんな豆なの?〜生で食べると危険!
vol.2 〜危険な豆?〜
vol.3 〜世界各国での活用法〜
必ず加熱して食べるべし。
───八升豆に含まれている注意するべき成分はありますか?
藤井:人間の胃でタンパク質を消化する酵素「トリプシン」の働きを阻害する「トリプシンインヒビター」には注意が必要です。大豆やインゲンマメにも含まれている物質ですが、生の八升豆の種子にも、多量に含まれています。生の種子を食べると害がありますが、この物質はたんぱく質のため、加熱によって活性を失います。きな粉にする要領で焙煎するのが最も良い調理方法です。
───八升豆も大豆のように調理して食べれば、問題ないのですね。
藤井:そうですね。あと八升豆の鞘(さや)には、かゆみを引き起こすビロード状の毛が生えているので収穫の際にも注意をしてください。日本在来の種は毛が少ないのですが、インドの品種やアメリカのフロリダベルベットビーンにはたくさん生えています。
毛には0.015%のセロトニンが含まれ、これがアレルギー症状を引き起こすヒスタミンを放出させるために痒みが出ます。人につくとチクチクしてとても痒く、敏感な人は激しくかぶれます。飲んで胃壁に刺さると、さらに危険です。
また、これとは別に痒みを引き起こすムクナイン(Mucunain)というたんぱく質加水分解酵素が含まれています。この成分もたんぱく質なので、加熱すると失活してかゆみが無くなります。

八升豆の研究第一人者に聞く!
日本古来種八升豆のまだ知られてない力vol.3
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