NPO法人日高わのわ会は、「できる人が、できる時間に、できることを」をモットーに、日高村周辺の"お母ちゃん"が中心となって20年以上にわたって活動している団体。村をひとつの家族として考え行政や企業ができない課題を、お母ちゃんの暖かさとお節介で解決しながら地域を支えています。そんな日高わのわ会の活動に共感し、2016年に東京から日高村へ移住したのが小野加央里。安岡さんのもとで3年間地域おこし協力隊として活動をし、その後、日高わのわ会からスピンオフする形で、一般社団法人nosson(のっそん)を立ち上げました。nossonでは、日高わのわ会や日高村役場と連携し、村外と中を繋げながら地域を活性するため、さまざまな取り組みを行なっています。(左:代表理事 小野加央里、中:理事 前田梓、右:村上由佳)
そんな日高村を中心に活動している2人が始めたあらたな挑戦。それが、「いきかえる、いきなおす、いきいき」プロジェクト。なぜ高知県の小さな村で、このプロジェクトが始動したのか。どんな想いで、何を、日本中に届けようとしているのか。3回に分けて2人のお話しをお届けします(vol.1)。
とまとまめゼリーの開発をはじめた話 全3回vol.1〜コロナがきっかけだった〜風邪のとき『食』で体をととのえるみたいに。
vol.2 〜"1つやれば、何個もいいことがある"ことを〜
vol.3 〜小野と安岡の出会いを振り返る〜
心も『食』でととのえたい。
───「いきかえる、いきなおす、いきいき」プロジェクト、名前がとても印象的ですが、活動の概要を教えてください。
小野:すべての人がいきいきと人生を送れるように、体だけでなく心の健康もサポートできるような情報やアイテムを日高村から発信しようとしています。
───「いきかえる、いきなおす、いきいき」プロジェクトを始動したきっかけは何ですか?
小野:小野:きっかけは、身近な人の死。コロナ禍に入った2019年秋ごろ、ふと思い立って東京で働いていたときに、とてもお世話になっていた先輩に、久しぶりに連絡したんです。
でも、何日経っても何週間経っても全く返事が返ってこず......。どうしたんだろうなと心配していたら、先輩の元旦那さんから「実は亡くなったんです」と連絡がきて。
もともとメンタルは強い方ではなく、長い間、うつ病の薬や精神安定剤、睡眠薬を飲んでいた。そんな中コロナ禍に突入。精神的に追い討ちがかかり、生きることを諦めてしまったんだと。その連絡がきた時は、ショックが大きくて......。
それと同時に自分が東京で働いていた頃のことを思い出しました。時間に追われてせわしく働き、人と比較しては落ち込み、日々やらなければいけないことに追われ続けていた。やりがいはとてもあったけど、逆にメンタルが落ち込むこともたくさんあったなと。
そんなメンタルが落ち込んだ時、薬や漢方以外で「どうやってメンタルをととのえてたんだっけ?」と思ったんですよね。例えば、風邪気味だなと思ったら「栄養たっぷりな食事をしよう」「ビタミンをとろう」というように日常の食で気をつけることができる。でも、心が疲れてしんどい時って、どうするんだろうって疑問がわいたんです。
───う〜ん、たしかに...
小野:すぐ、ぱっと思いつかないじゃないですか? 仕事では売上げや結果に追われる。さらにライフステージによっては、子育てや介護と仕事の両立をしなきゃいけない。何かに追われて心がいっぱいいっぱいになる可能性って、きっと誰にでもあると思うんです。
そんな時に心も風邪と同じように食でととのえられたら良いのにと思ったのが始まりです。それが実現すれば、きっと"いきいき生きる人"を増やせる。そう思いました。その想いを最初に相談したのが千春さんでしたね。安岡:その時はたしか「千春さんが肩が痛い時に病院に行く前に、サロンパスを貼るじゃないですか? サロンパスくらい気軽に、メンタルもお家で予防できるようになったらいいと思いませんか?」って言われたんよね。「どうにかして心が疲れた人を救えないかな」という想いが溢れる小野さんを見て、私もたしかに、そういうものがあったら良いなと思いました。
小野:日高村で地域の人たちをつなげて課題を解決する活動をしている私たちが、その延長で何かできることはないだろうかと考えるようになったんです。
注:『地方創生のファクターX 寛容と幸福の地方論』p.12(島原万丈、LIFUL HOME'S総研、2021年)
『とまとまめゼリーの開発をはじめた話vol.2
〜"1つやれば、何個もいいことがある"ことを〜』つづきを読む>