ついに、GABAの含有量の研究結果が出たため、村長、副村長、JAのみなさんへの報告会が行われました。Vol.2は日高村の季節ごと、品種ごと、農家さんごとにトマトのGABAの含有量を比較した研究結果をお届けします!
●検査方法
・対象のトマト:大玉トマト・ミニトマト・シュガートマトそれぞれ3農家さんのトマト
・研究時期:日高村シュガートマトの収穫時期11月〜3月の5ヶ月
・測定回数:大玉トマト・ミニトマト・シュガートマト全種類月1回づつ
・トマトの状態:収穫から6日後ぐらいのトマトを検査(※受け取り後は冷蔵保存)
・方法:"GABAミエールキット"
(注)シュガートマトとは:シュガートマトは全国でも屈指のフルーツトマトの産地として知られている高知県の日高村で誕生した高糖度フルーツトマト。
──トマトに含まれるGABAの含有量は、季節によって変化する?
日高村のトマトのGABAの含有量の季節による変化を比較!
その結果、測定を始めた11月に全ての品種でGABAの含有量が1番多く、その後は減少していく傾向がみられました。農家さん同士の変化の仕方を比較しても、3軒とも同じように変化をしていたことから、月ごとにGABAの含有量が変化するのは、農家さんの技術によるものではなく、季節変動(気温、気候、湿度など)によりGABAの含有量が変化していると考えられます。
──トマトに含まれるGABAの含有量は、品種によって変化する?
100gに対するGABAの含有量の平均と、個体差の分布を大玉トマト、ミニトマト、シュガートマト、種類別に比較しました!その結果、GABAの含有量の平均値はシュガートマト127.8mg/100gと1番多く、大玉トマトの約2.5倍、ミニトマトの約3.5倍のGABAが含まれていました!トマトにはおおよそ30-60mg/100gのGABAが含まれている(注)と言われており、一般的なトマトと比較しても、シュガートマトのGABAの含有量はとても多いことがわかりました。
個体差の分布を比較したところ、ミニトマトが1番ばらつきが少なく、次いで大玉トマト、シュガートマトの順でばらつきが大きくなっていました。ただ、市販のトマトと比較すると、日高村のトマトは3種とも全体的に、GABAの含有量のばらつきが少なかったのです。
つまり、どの季節のどの品種においても、ある程度の品質が保たれている日高村のトマト。日高村ではとても優秀な栽培管理が行われているのではないかと考えられます!
(注)高田 式久:日本家政学会誌 Vol. 63, No. 11, 2012, 745 ~ 749
──トマトに含まれるGABAの含有領は、農家さんごとに変化する?
大玉トマト、ミニトマト、シュガートマトそれぞれ3農家ごとのGABAの含有量の変化を比較しました!
ミニトマト農家さん間の差が1番少なく、どれも30~40mg/100g程度の値で変化していました。シュガートマトは、3種類の中で比較すると農家さん間でばらつきはありましたが、どの農家さんも100〜140mg/100gと、どのトマトよりも高い含有量を維持していました!
──これからのとまけん部の研究はまだまだ続きます!
今回の研究では11月〜3月の5ヶ月間のトマトが対象でした。しかし、日高村のシュガートマトの収穫は6月まで続くため、収穫期全てのトマトの研究ができたわけではありません。
そのためこれから4月、5月、6月も継続して日高村のトマトに含まれるGABAの量を計測し、年間を通して、GABAの変動がどうなるのか研究していきたいと思います!とまけん部の研究はまだまだ続きます!
※この研究結果のデータは、今回検査したサンプル範囲内での結果となります。