とまとまめゼリーの開発をはじめた話 全3回vol.1〜コロナがきっかけだった〜
vol.2 〜"1つやれば、何個もいいことがある"ことを〜
vol.3 〜小野と安岡の出会いを振り返る〜
"1つやれば、何個もいいことがある"ことを。
───「どうにかして心が疲れた人を救えないか」と小野さんが安岡さんに相談をされてから、すぐ2人でプロジェクトを立ち上げられたのですか?
小野:千春さん最初は「小野ちゃんがやるなら応援するよ」ってスタンスだったのに、気がついたら一緒にやってくれてましたよね(笑)。
安岡:小野さんって何かをすると決めたら一生懸命で、絶対実現させてやるって気持ちが本当に強い。けど、抜けてるところがあるから......。隣で見てたら「手伝っちゃらな」って気持ちになるんよね(笑)。
小野:そんな〜(笑)。───このプロジェクトでは、現在日高村の特産品であるトマトを使ったサプリゼリーを開発しています。この企画はどんなふうに決まったのですか?
安岡:ちょうど小野さんがプロジェクトを始動した頃に、日高村のフルーツトマトはストレスを緩和するGABAの含有量が、普通のトマトと比べて高いことが分かったんです。だから「日高村フルーツトマトの機能性を生かしたトマトサプリゼリーを作る」という方向性はプロジェクトを立ち上げるときには決まっていました。日高わのわ会では長年、農家さんから買い取った規格外のフルーツトマトを使用した商品の開発から製造までやってきたので、そのノウハウがあります。だから、この「いきいき」プロジェクトの手助けができるかなと思ったんです。
小野:そうなんです。トマトの製品といえば、日高わのわの会。だからやっぱり安岡さんには一緒にやって欲しいと思っていました。
安岡:もうひとつ一緒に活動をしようと思った大きな理由は、小野ちゃんが"1つやれば、何個もいいことがある"ことを実現しようとしていたからかな。
トマトサプリゼリーによって、メンタルが落ちている人たちがいきかえる。
日高村特産品のトマトを使うことによって、村がいきかえる。
とまとまめゼリーの原料の土佐いきいき豆を耕作放棄地で栽培することによって、土地がいきかえる。
豆栽培を高齢者の仕事にすることによって、いきがいができて村民がいきかえる。
豆栽培がN2O(亜酸化窒素)を削減することによって、地球がいきかえる。
これが小野ちゃんが話してくれた「いきかえる、いきなおす、いきいき」プロジェクトの全体の構想。「1つやれば、何個もいいことがある」ことをやろうとしていると聞いたときに、すとんと腑に落ちた気がしました。
安岡:日高わのわ会がトマトソースを作り続けているのは、捨てられていた規格外のトマトを使うことで、農家さんがよろこぶから。ソースを作るという新たな仕事が生まれることで、今まで働く場所が見つけにくかった地域の障がい者の方たちや子育て世代のお母さんたちがよろこぶ。トマトソースにすることで今までより多くの人に日高村のトマトを届けられるようになり、全国の人にもよろこんでもらえる。
「1つやれば、何個もいいことがある」という活動理念は、日高わのわ会もずっと掲げてきたことだったから、小野ちゃんと一緒にやる価値があるなと思ったんです。
小野:そうだったんですね。もう一つ、私がプロジェクトの構想の根底に考えていたのは、日高わのわ会の利他精神なんです。「儲かるからこの事業をするんじゃない、そこに困っている人がいるから、みんなが幸せになる絵を描ける事業をする」。これは安岡さんがいつも言われていること。目の前に困っている人がいるなら、助けたい。そう思ったから私はこのプロジェクトを始めようと思ったんです。
私は日高わのわ会の活動に興味を持って移住してこれまで7年間、安岡さんの隣でその活動を学ばせてもらってきたので、考え方がしっかり自分の中にインストールされたんです。
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